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身内の確執が絡む問題は冷静な判断力失う。第3者の見解を仰ぎ基本に立ち返る。

 
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順調だった家族経営も、代替わりを機に分裂

 下田マリンサービス(仮称)はマリンレジャー用品を販売しています。 海岸までは車で15分ほどの、市街地中心部にある小規模な店舗です。 兄弟での共同経営となりますが、創業は40年前に父親が「海水浴シーズン以外でも街に賑わいを作りたい」という思いで始めたものです。 海辺のダイビングショップと長年の信頼関係を築き、送客し合うことで経営は安定していました。
従来は父親の人柄に引かれた顧客が、会話を楽しむ延長で店舗で商品を購入していましTが、近年はインターネットで購入したいとの声も 増えた影響で、売上額の3割がインターネット経由となっていました。 やがて父親から兄弟へ代替わりの時が来ましたが、経営方針を巡り意見が対立します。 その結果、弟がインターネット事業を、兄が店舗を継ぐという分裂の形となったのです。

店舗経営は苦しく、新たなネットショップを開設する判断に

 弟のインターネット事業は従来と変わりなく順調でしたが、兄の店舗の方はインターネット事業を失った分を 店舗で積み増す事が出来ず、苦しい状態に陥りました。 年齢層が高めの顧客は来店して購入頂けるものの、海へ出る頻度の低下とともに購入額も落ちていきます。 海へ出る頻度の高い若年層顧客はネットに慣れているため、弟のネットショップの方へ流出します。 顧客からすると、ネットと店舗で経営が別という店側の都合を理解するはずがありません。
兄はネット商品との差別化を図るべく、オリジナル商品を企画しました。 店名の刺繍の入ったマリンブーツやグローブ、特別仕様のゴーグルなど。 しかし状況を打開する突破口になるまでの効果はありません。 遂に兄は、弟のネットショップから客を取り戻そうと決断し、新たなネットショップを立ち上げました。 しかし顧客は混乱するだけで戻ってくるきっかけにはなりません。 兄は何とかインターネットで新規客を取るべく、その手法を専門家に相談する事にしました。   

ネット販売に固執する理由は身内への確執が原因と判明。強味を活かしてターゲットを絞ることに

 ネットショップの売上拡大を依頼された専門家でしたが、知識豊富なスタッフとフレンドリーな接客を見た専門家は 店舗の強みを活かすべく店舗での売上拡大に重きを置くよう提案しますが兄は聞き入れようとしません。 ヒアリングを重ねることでわかったのは、弟への確執が思った以上に強く、とにかくネットの売上を拡大することで見返してやろうとの 思いに縛られていることでした。 確かに弟のショップは競合ですが、その他にも多くのネット競合店が居るのです。 そこで以下の提案をしました。
  •  ・ターゲットを初心、初級者とする
  •  ・店舗では「ダイビングの安全を売る」とブランディングする
  •  ・インターネットは販売よりも情報提供を主目的とし、店舗への来店を図る
  •  ・店舗では安全に関するイベントにも力を入れる
理由としては、命を預かるダイビング商品において、初心者はネットの情報だけで買う勇気が持てずに困っているはず。 そこを助けてあげたいと考えたからです。 これまでは、一人の客も逃すまいとターゲットを絞らない方針であったため、客層を初心、初級者に絞る事には抵抗がありました。 しかし店舗を持たないネットショップとの差別化を明確にするという戦略を信じて腹を据えたのです。   

ターゲットに向けたWEBコンテンツを充実させ、認知度が上がればターゲット外も来店する

 インターネットのWEBページコンテンツは初心者向きに海の中の楽しさを伝える事と、安全を伝えることに絞りました。 コツコツとコンテンツページを増やしていくと、やがてWEBページを見たという初心者が来店するようになりました。 命を預ける道具だけに、価格よりも店員と直接会話することで安心感を得たいという理由です。 こうして兄の店舗は「安全を売る」コンセプトが定着し、そこに共感する中級、上級者も来店し、ネットでの注文数も上がっていきました。 気付いた時には弟への確執の事などすっかり忘れていたようです。

優秀な外科医でさえ身内の手術は冷静さを保てないとの理由で執刀出来ないと聞きます。 身内の確執が絡む経営問題は、知人でも良いので第3者の意見を聞いた方が良いでしょう。