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店舗移転で客層が変化。変化に対応した売り方へ変えることで新たな希望をつかむ

 
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立地悪く手狭な店舗から、期待を胸に好条件の揃った店舗へ移転

 アビーロード社(仮称)は主にイギリスからの食器を輸入販売しています。 イギリス食器の中でも特に高級ラインとして名が知られており、現地でも入手困難な逸品を揃えていることが特徴です。 社長はもともとセレクトショップに勤務していましたが、自分が特に気に入った商品だけを扱いたいとの希望から独立しました。
当初の店舗は住宅地から離れ、やや山の中に入った、その前は蕎麦屋であった隠れ家的な雰囲気です。 利便性の悪さにも拘わらず、ファンの方はわざわざ車で来てくれて、社長の人柄と楽しい会話に魅力を感じている顧客は決して高所得者層ではありませんでしたが、多少無理してでも買ってくれるありがたい存在でした。
店内は手狭であったため、取り扱い品種は3メーカーに限定していました。 一方で高級車に乗って店頭まで来てくれたにも関わらず、店舗外観を見て引き返してしまう事例も散見される事に社長は課題を感じていました。 車通りが少ないことから来店者数は少ないままでしたが、もっと売上を拡大したいとの思いは強く、幸運にも銀行から融資を引き出せたので思い切って車の通行量の多い幹線道路沿いのロードサイド店に店舗移転をしました。 賃料は3倍となりましたが、それをカバーできる来客数が見込めたので勝算は十分ありました。 

新店舗での顧客は値引き交渉ばかり。安売りセールも常態化して経営は悪化

 新店舗は旧店舗の約5倍の売り場面積を持ち、取り扱いメーカーも14メーカーまで増やす事ができました。 社長は特に250年の歴史を持つメーカーの商品に強い拘りがあり、コーディネートによるセット販売を希望されていましたが、 売り方が難しい事は前職の経験上認識していたので、店舗の知名度が上がってから揃えようと決めていました。
ところが思った通りに売上は伸びなかったのです。 来店者数は増えたものの、高額品の売れ行きは悪く、売れるのは低価格品ばかりでした。 また高額品の引き合いがあった時でも大幅な値引きを求められ、お客様の要望に応えたいとの思いと、融資の返済都合の観点から薄利で売り続けていました。
値引き要求を受ける要因として考えられるのは、車で15分のところに中規模の輸入雑貨チェーン店があり、似たような品揃えとなっていました。 そこで価格を確認したお客様がアビーロード社に来店されているようでした。
この流れに歯止めがかからず、値引き無しでは売れないと社長は考えるようになり、以前は半期に1度だった感謝セールも気付けば毎月のように開催するようになったのです。  旧店舗でファンになってくれていた常連の方々も、開店当初は来てくれていたものの、いつしか足が遠のいていました。 薄利商売が続くからには更なる来店者数が必要と判断し、地元テレビ局のCMやタウン誌への広告露出を強めたところ 一時的な来店者数増加は見られたものの効果は2週間で元に戻ってしまい、これ以上多額な広告費をかけ続けることは困難との判断に至りました。   

客層の変化を捉え、こだわりを尖らせることで客質を変えていく戦略に

 薄利商売が続き改善に向けた時間が十分に取れない状況で、一人の集客専門化を頼ることになりました。 専門家の分析では根本原因は「店舗移転に伴い客層が変わったにも拘わらず、同じ売り方を続けている事」でした。 以前の店舗は「車でわざわざ来てくれた」のに対し、現店舗は「たまたま通りがかりで見つけて来店した」人が圧倒的でした 単純に来店者の「数」しか追っていなかったので、「客質」は気に留めていませんでした。
専門家の考え方は、高額商品に対して意識の高い顧客の来店を増やし、逆に意識の低い顧客の来店を減らすことで、接客の質を高めることでした。 即ち利便性の良い場所でありながら、旧店舗のような来客割合に近づけるのです。 まずは取り扱い品種を5メーカーまで削減した上で、品揃えの特徴も尖らせることにしました。 そしてホームページ内容も大幅に見直し、品揃えに対するこだわりを丁寧に伝えるようにしました。 ホームページを見て来店された顧客との会話で得た気付きを更にホームページへフィードバックしていう・・という地道な手法を続けました。 すると効果が見え始め、来店客は価格交渉よりも社長との会話を楽しむ時間が増えたのです。   

社長の勝ちパターンへ持ち込めたことで収益改善を果たす

 上客への接客時間が増えれば、社長の勝ちパターンとなります。 利益率は改善し、もはや毎月の安売りセールは不要になりました。 そしてこれまで全く面識のなかった企業から、こだわりへの考え方に共感したとの理由でコラボのオファーがきました。 新たなビジネスチャンスが生まれ、期待に胸が高まります。 コロナ後はファンの方が会話を楽しめるお茶会を店内で開催したい、生活に潤いを与え心の栄養となる存在であり続けたいと社長は願うのです。